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2017年 12月 21日
ふと目をひかれて購入した「『薔薇族』の人びと」。
かつて 『薔薇族』を万引きしたのを親に通報された少年が飛び降り自殺してしまった事件についての、日本中の薔薇族読者の嘆き哀しみの投書の数々。 三島由紀夫が投稿したと言われる小説「愛の処刑」 やっぱり切腹。 山川純一の漫画にはちょっとひいた。 面白いに違いないとは思ったけれど、思った以上に面白かった。 戦後の上野駅地下の路上で売っていた様子から始まる裏戦後史を、薔薇族な人びとは生きていた。 『薔薇族』編集長であった伊藤文學氏は「ぼくはノンケだから」と念をおすけれども、誌面をいろどる画家に、縛り師に、投稿者に いつでも深く愛情を持っていたのが文面からにじみ出る。 最初は淡々と綴られていた文章が、だんだん温かみをおびて しまいには語り口調が女子のように優しげに、涙目で『薔薇族』を作ったひとびとを抱きしめているようだ。ほんとにノンケなんですか。 なまらやな人びとの間でも、この本は話題になってあちこちに貸し出されては戻ってきていたある日。 博信堂、古本屋のくせにときどき、「これ 読んでみます?」と気軽に本を貸してくれるのだ。ありがとう。 しかも 狙いすましたようなピンポイントな本だったりする。 あー ヒドいんだろうな。とおそるおそるページを開くとやっぱりヒドい。 何だか読んでも読んでも終わらず、読み切るのに1か月以上かかってしまった。1本が短いだけに、本数が多くて。 短編が20本ぐらい載っていたかな。どれも変わらぬテンションで描かれているのがまたヒドい。というかスゴい。 そしてさらにスゴいのが、この漫画の定価が4800円。二度見。4800円! さらに、第6刷! 4800円が6刷!! 「『薔薇族』の人びと」をもう一度開くと、誌面でも山川漫画は不遇だった。 作家は漫画を仕上げて持ち込んでくるが、『薔薇族』編集部での評判は芳しくなく、掲載できない。 それでも、これを描くことで苦しい生計を立てようとしている作家に、伊藤文學氏は自腹で原稿を買い取っていた。 それを心苦しく思ったのか、いつか漫画は持ち込まれなくなって、作家とも連絡がとれなくなってしまった。彼はどうしているのか。生きているか。いつか、彼の漫画に日の目を見せてやりたい。と文學氏は切なげに語っている。 よかったね 山川さん。4800円が6刷だよ。 この漫画、いったい誰が世に出したんだろう。と奥付をもう一度めくってみた。 発行人 伊藤文學
by namara_ya
| 2017-12-21 19:26
| 日々雑多
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