2025年 11月 27日
きりひと讃歌(ネタバレ注意) |
手塚治虫「きりひと讃歌」なかなか壮絶でもう一度読み返すのがつらい作品だ。
高校生の頃、内気でクラスの男子とはほとんど話したことがなかったのだけど、手塚漫画は読んでほしくてあれこれ持ってきて貸していた。
あるとき「シュマリ」を読んだ男子が返すときに「みやざわさん シュマリすっごい良かった!感動した!こういうのもっとない?!」と上気して言うではないか。
ええっ 「こういうの」ってどういうんだろう?と悩んで、青年漫画つながりで「きりひと讃歌」を貸したのだけど、今度はノーコメントで返してきたのを覚えている。
・・・間違ったか。
今思い返しても、「シュマリ」みたいな手塚漫画って無いと思う。
前もちょっと書いたけど「三つ目が通る」でも「ブラックジャック」でも「どろろ」でも、手塚漫画って同じような作品がないのだ。
閑話休題。「きりひと讃歌」だ。
医師の小山内桐人は、医局内の陰謀に巻き込まれて自分が研究していたモンモウ病に罹ってしまう。
容貌が犬のように変形して人としての尊厳を奪われ、社会から抹殺され苦難の旅が続く。
読んだ人にとって一番衝撃だったのは、麗花が人間天ぷらになって死ぬ場面じゃないだろうか。
だからもう30年くらい読みかえしていないと思うけど、今思い出してみるとそれ以上にむごいのが、桐人を理解して肯定したり一緒に生きようとする人があっさりと死んでいなくなってしまう。麗花やたづ、桐人が治療した部族長の老人だったり。
手塚作品、やっぱり情け容赦ない。
人の悪意と運命に翻弄されて、最悪の状況の中でも寄り添う人間が現れて、立ち上がったと思ったときに唯一の理解者が死んで梯子を外される。それが何度も繰り返される。
思い出してしまったのでもう一度読み返すことにした。
・・・あああ やっぱり麗花の最期が近づくにつれて読みかたが遅くなってきた。キツい。
麗花を失った桐人がどうやってまた立ち上がるのかまったく思い出せないぞ?
と思ったら、描かれていなかった。
ともかくも、桐人は居場所を見つけたんだ。
この後、桐人を陥れた人々は報いを受けるように破滅して、モンモウ病が解き明かされていくので勢いがついて読了。
いずみさんが占部に対して無防備すぎるのはちょっとどうかと思う。
by namara_ya
| 2025-11-27 19:16
| 日々雑多
|
Comments(0)

